間もなく9月1日。防災の日になっていますが、昨晩、NHK「映像の世紀」で放映された番組が衝撃的でした。1923年(大正12年)9月1日東京を襲った直下型地震で10万以上が亡くなり、首都は壊滅してしまいました。当時アメリカから来日していた建築家アントニン・レーモンドという人物が当時の帝都復興院総裁・後藤新平との深い絆の中で大いに貢献し、壊滅状態の東京を奇跡的に復興させました。後藤は完璧な再建を計画していましたが予算が足りずに下町は木造建築のままになってしまいました。時が流れ、太平洋戦争が勃発し、帰国していたレーモンドは「一刻も早くこの戦いを終わらせたい」ということで日本の家屋を知り尽くしていた彼を中心に「焼夷弾の開発」が進められました。やがて1600トン以上の焼夷弾を搭載したB-29が首都圏を一瞬にして焼き尽くし、折からの疾風と重なって10万以上の犠牲者が出る結果になっていしまいました。戦後、再び来日してその惨状を目の当たりにしたレーモンド。僅か22年の間に2回も壊滅の被害に遭遇しながらも世界の最強都市のひとつになった東京。不思議な巡り合わせを感じさせる番組でした。