大阪市内で水産問屋業を営むA社長が「昨日は三重まで行ってきたよ」と話し始めました。市内の高級ホテルが「三重県フェア」を開催する際に他の食材は全部集める目途が立ったのに「ホヤ貝」だけがどの業者も調達できず、そのA社長に相談したそうです。A社長は早速自ら運転して車を走らせ三重県の漁港を片っ端から飛び込みでホヤ貝を探し回ったそうですが、やはりどこも漁獲がなく断られてしまったのに、「ここで諦めるわけには行かない」と見つけるまでは帰らない覚悟で探し回りました。そしてとうとう最後の一軒でやっと見つけることが出来て帰って来ました。「さすがですね」と言うと「ホヤ貝なんて大した値の張るものではないが、お客様がどうしても欲しいのに見つけることが出来ないなら、自分が絶対に探し当ててやろう」と心に決めて一目散に三重県の漁港に向かったということでした。誰もがやれる仕事なら問題ないが、誰もやれないことをやることに大きな意味があるとも語っていました。そこが信頼を勝ち取れるかどうかの分かれ道だと。三代目の社長ですが今日は大きな軸を発見して帰って来ました。